RCO Study Night "RCOにおける機械学習と次世代量子情報処理技術「量子アニーリング」" に参加してきました
こんにちは。
最近技術的な内容は大体Qiitaに書いているので
こちらは間が空いてしまっていますが、勉強会の参加記録はこちらに。
RCO Study Night "RCOにおける機械学習と次世代量子情報処理技術「量子アニーリング」"に参加してきました。
正直な話、ソフトウェア屋なので物理的な内容に踏み込んだ個所は理解できていないのですが、
その理解なりにわかったことを参加記録として残しておきます。
当然間違った内容も紛れているでしょうけど、まぁそれが現時点の私の理解可能なレベルということで。
参加メモ
次世代量子情報処理技術「量子アニーリング」が拓く新時代 情報処理と物理学のハーモニー(田中 宗)
- 組み合わせ最適問題とは?
- 全ての組み合わせを確かめて一番いい結果を選ぶ問題
- 2択テスト
- 巡回セールスマン問題
- 問題数が増えるにつれて計算量が爆発する。まともにやるととても解けない。
- 定式化すると、離散変数を引数とする実数関数が最小値を取る条件を見つける問題
- y = f(x1,x2,x3...xn) を最小化
- 全ての組み合わせを確かめて一番いい結果を選ぶ問題
- 自然現象は、計算(ナチュラルコンピューティング)
- 自然現象を記述する言語、物理学
- 組合せ最適問題とは、離散変数を引数とする実数関数が最小値を取る条件を見つける問題
- 力学:力学運動は作用と呼ばれる関数の最小値を取る軌道
- 波動光学:光路最小条件を満たす所に光線が伝搬、屈折、干渉現象
- 自然現象から着想を得て、計算の飛躍的発展を狙う
- ナチュラルコンピューティング
- 自然界のシステムを用いて、ベストな答えを探しだす
- 粘菌コンピュータ
- DNAコンピュータ
- 自然現象からアルゴリズムを出す考え
- 自然界のシステムを用いて、ベストな答えを探しだす
- 組合せ最適問題において、ただ結果を小さくするだけでは局所最適にはまり、ベストな答えは見つからない
- 上がるプロセスも必要だが、それをどのように実現するか?
- 熱による揺らぎを利用する
- 上がるプロセスも必要だが、それをどのように実現するか?
- アニーリング(徐冷)
- 合金は高温状態だとランダムな状態だが、徐々に冷却していくと物質して安定する状態=最適な状態に収斂する
- ここから求められる各モデルを「イジングモデル」という
- 合金は高温状態だとランダムな状態だが、徐々に冷却していくと物質して安定する状態=最適な状態に収斂する
- イジングモデル
- 量子の時代
- 物理学とテクノロジーは下記のように発展してきた
- 熱力学:熱効果によるゆらぎ
- 熱アニーリング
- シミュレーテッドアニーリング
- 量子力学:量子効果によるゆらぎ
- 2択問題で考える
- 熱揺らぎによる、ランダムな答え(A or B)
- 量子揺らぎによる、「重ね合わせ」の答え(AでもありBでもある)
- 量子揺らぎをゼロまで下げていくことを量子アニーリングという
- 量子効果を反映させた物理系のダイナミクスをシミュレーション
- シュレディンガー方程式
- 量子モンテカルロ法
- シミュレーテッドアニーリングと比べて圧倒的に効率的で、高速
感想
量子力学は素人向けの本を1冊読んだくらいの前提知識でしたが、シュレーディンガーの猫で有名なシュレーディンガー方程式がここで出てるとは、と正直驚いた発表でした。(そこかい
ただ、量子アニーリングとは何なのか、何に使えるのか、何故使うのかと、あとは現状の進展度合いの概要がわかったという意味で非常に興味深かった勉強会でした。
勉強会での講演者である田中先生は今年のうちに一般向けの書籍も記述されるとのことですので、そのあたりを楽しみに、気長に情報は追っておこうと思います。
一般向けの、になるとは思いますが。
後は、エンジニアが全員機械学習のコードを書けて、発表の中で挙がった4要素を兼ね備えるとはさすがリクルートコミュニケーションズ、マッチョなエンジニアが揃っていそうな会社ですね。
そちらは現状私自身は初歩の機械学習アルゴリズムを実装できるレベルでしかないので、勉強は重ねておく必要はありそうです。
2016/01/19追記:
発表資料公開されていました。
www.slideshare.net