QConTokyo2013 KeyNote2 ファブラボ鎌倉の挑戦
次は「ファブラボ鎌倉の挑戦」。
1.講演内容
結論としては、
「今後ものづくりにソフトウェアとハードウェアの垣根はなくなる。
ソフトウェアでハードも作れるようになる。」
15年に一度、技術が社会とであう。
- パーソナルコンピュータ(1980)
- インターネット(1995)
- パーソナルファブリケーション(2010)
この後しばらく昔作っていた製作物の説明。面白かったですw
B2C(Birds to Computer)、C2B(Computer to Birds)とか。
後は人間の脳波を読み取る装置をつかって植物の表面電位を読み取り、
光と色で表現するとか。
後は植物がブログを書くといういわゆるP2C(Plant to Computer)。
最近はTwitter上でつぶやいている模様w
上記のように、「自分が好きなものを自分の技術で実現する」という人が増えている。
そんな中、「パーソナルファブリケーション」という言葉に出会った。
様々なソフトとハードをインターネットで調べて組み合わせて
身の回りの実現したいことを実現するということをさす模様。
マーケティングからはじめるのではなく、
「自分が好きなこと」を実現することで自分と似た趣向を持つ人をひきつけたいという動機となっている。
製造業時代のマーケティングは「皆がほしいと思うもの」としてマスに出す必要があった。
その対極として、DIYや贈り物/ギフトがある。
だが、ソフトウェアの世界においては上記の世界を考慮する必要がない。
自分が作ってよいと思ったものを広めて多くの人に使ってもらうこともできる。
現在、そのソフトウェアの性質が3Dプリンタの登場によってハードの世界まで入り込み始めている。
・・・といいつつ、現状3Dプリンタはマイコンのようなレベルでおもちゃレベル。
だが、今子供がいる人はぜひ買ってあげて惜しい。
かつてのマイコン少年のハード&ソフトの融合した新たなエンジニアになるかもしれない。
後は3Dプリンタを用いれば超局所的な状況に適合した製造物が作れる。
例えば人の背中にあわせた椅子とか。
「あなたの背中にぴったりフィットする椅子!」とか。
あとは壊れたものを創造的に修理することができる。
- ここから、30年前のパーソナルコンピュータから始まったような文化が始まるのではないか?
StarTrekのReplicatorのように。
現状3Dプリンタでは樹脂による製造物しかできないが、
研究段階で導電体、絶縁体といったものを組み合わせた3Dプリンタもある。
15年後には世に出回るだろう。
それだけでなく、PCデータを印刷するミシンなどの
コンピュータと工作機械を接続するものが増えてきている。
それらをあわせたのが「ファブラボ」。
コンピュータを使って作ったデジタルデータを3Dプリンタや工作機械を使って具体化する工房。
世界の誰もが何かしらのものづくりを通じて自己表現をするという活動を行う場。
インドで作られているのは下記
- 超音波を発信して野犬を撃退する装置
- ソーラークッカー
- 自転車を改造して作ったソーラーカー
ある少年が作ったのは「FabFi」という無線LAN端末。
だが、デジタルデータであるがゆえに村中の家に再生産して配り、
結果その村全体でメッシュネットワークが構築されるようになった。
そんな活動を元に設立されたのはFabLabo鎌倉。
ソフトウェアエンジニアは職人であるのだが、目に見える形にならない。
それを形にできるのがFabLabo。
どのジャンルにもものを作っている人はいるが、
そういう人たちが集まれる場を作りたい。
「表現メディアとしての工作機械」が今後目指すもの。
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何か即役に立つというわけではないのですが、
ものづくりということに対して前向きになれるKeyNoteでした。
1つ目のプログラミング言語と人間の脳の関係の講演、
2つ目のデジタルファブリケーションとあわせて、
方向性はまったく違いますが前向きになれる講演でしたね。
QConTokyoの午前の講演は毎年こういうのがそろっていていい感じでした。